英語・英語教育・TOEIC

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英語が必要な日本人は1割。だから…?

 次のようなTweetがあった。
以下、それについて述べる。
ラジオ番組らしいが、内容はいまひとつ。

応用言語学者である番組ゲストによれば「英語を必要としている人は大企業に勤めるごく一部で、日本人の1割」というが、だからなに?と思う。
ほとんどの人が英語を必要としないから学校で英語を教える必要はない、という結論を出したいのか。

しかし結論は違うようだ。
「いまさら英語をなくすことはできない。理由は、戦後ずっと教えられてきたから、今になって一部の人だけが学ぶと、不公平感が出るから。」とのこと。
しかし、そんなに「1割、1割」と言いたいなら結論は「英語はごく一部の優秀な人だけが学ぶべき」になるのでは?

国際化の中、世界共通語として英語の基礎力をつけることは国民にとって大事であろう。
学校教育の間に「将来大企業に入る」のは誰かはわからないし。
またスポーツ、芸術関係でも英語ができれば世界が広げられる人は少なくないだろう。
「将来の可能性にかける」というロマンはないのだろうか。

統計的数値ばかりを強調するのは好みではない。統計をとった次の瞬間から新たな世界が動きだしているのだし。

Twitterを眺めただけでも英語を頑張っている社会人や中高生はたくさんいる。
そういう人たちに対して「将来英語を必要とするのはごく一部のエリートで国民の1割だけだ」と言って勉強意欲に水をさそうとしているように感じる。

この番組にリスナーの多くが関心を寄せていて「中高大10年やっても身につけられない」との声があった。
それに対しての答えは、「中高大といっても実はそんなに多くの時間ではなくて身につけるのに必要な時間が足りていない」と指摘。
それは正しいが、「ではどのくらい必要か」については言及しなかった。リスナーの一番ききたいところではないのか。

私が思うに、正解は「目的による」。(個人差も当然あるが、それはおくとして)。
「海外旅行で買い物ができる」目的であれば、すぐに身につけられるだろう。
読むだけ、聴くだけなど、技能の一部であれば比較的短期に身につけられるだろう。

「だいたいのものが聴けて、読めて、話せて、書ける」ようになるためには3,000-4,000時間の学習が必要であり、最初の1,000-2,000時間の大半はインプットにあてるとよいだろう。
学習時間とは「目ないし耳が英語に触れている時間」であって、辞書をひいたり、日本語でノートをとったりしている時間は含まない。
ちなみに中高で英語に触れている時間は恐らく600時間くらいだろう。
それゆえ、日本人が英語ができないのは当然なのである。

詳細は、拙著「禁書 日本でやりきる英語習得の真実」を参照頂きたい。



最後に一般論として、学者の言うことはあくまで、説と考えるのがよいだろう。
「1割」が統計学で割り出されたものであることは真実かもしれないが、それの解釈は個人や社会、時代などによって変わる。
「1割しか」か「1割も」かなど。

英語教育学の歴史においても、「聴くだけ、読むだけが有効」との学説が出たとき教育界もそれに従ったが、その後「コミュニカティブが有効」との説が出れば今度はそれに従ったりと、その時々で変化するものである。

「英語を身につけたい」と思う人は迷わず練習に励んで頂きたい。
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【 2015/07/25 】 英語教育 | TB(0) | CM(-)
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